「ふーん、そう。

って、はぁぁぁぁ???
冬馬、仕事始めたの?」



つい最近まで、プー太郎だった冬馬。


そんな冬馬が、仕事を始めた?



「有り得ないみたいな言い方、やめてくれる?

俺だって、一応親父の息子だし
会社、継ぐために頑張ってるんだ」



そっか、冬馬はお父さんの仕事のこと知ってたんだ。

私だけ、知らなかった。


……なーんか、面白くない!!



「智美、今まで黙っててすまなかった。
聖くんも、以前会ったのに知らないフリをしてしまって、すまなかった」


お父さん…謝ることないのに…。



「いえ、気にしないでください」


「そうだよ!

お父さんは、私のこと想って黙っててくれたんだもん
謝ることないよ。

まぁ…冬馬は知ってて、私は知らなかったのは
ちょっと面白くないけどね」


なんて言いながら、笑い飛ばした。


そうでもしないと、重たい空気が続くだろうし

お父さんのことだから、思いつめそうだし。



「悪かった。

秀樹から、全て聞いたよな?」


「うん、私と聖さんのこと。

お父さんの会社のこと。

それから…事故にあったことも
全部聞いたよ。

今まで辛い思いさせてごめんね」



私のために黙っててくれたこと、本当はお父さん辛かったと思う。


いつ思い出すだろう、悲しい思いさせるだろうっていつも思ってたと思う。



だから、自然とごめんねという言葉が出てきた。



「いいんだ、気にすることじゃない。

じゃあ、もう隠さない。

俺は、Cosmetic MISAKIの会社の社長なんだ」



…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ???



「待って、お父さん!!

Cosmetic MISAKIって、あの?」


と、驚いて聞くと、お父さんは真面目な顔で頷いていた。