買い物を終えて、なぜか聖さんがキッチンに立っていた。



車で、今日は俺が作ると言っていたけど

今日たくさん歩いたから疲れたはず。



仕事の疲れだってあるのに…


だから、外食じゃなく家にしたのに

結果これじゃ、意味がない。


休ませてあげたいのに、休ませてあげれていない。



「聖さん、やっぱり私が作りますから
聖さんは休んでいてください」


「馬鹿。いいんだ、俺が作りたいんだ」



そう言って、聖さんは手でシッシってやってきて

キッチンから追い出される。



もう!!

どうしていつも、こう…強引なんだろう。



でも、わかっている。


聖さんが優しいことなんて。



聖さんの強引は、どれも優しさから来ていることなんて。


私を休ませてくれようとしてること。



その好意を無駄にしようとなんて、私にはできないから

黙って大人しく、料理が出来るのを待っていた。