「そうか、だから俺、智美といると

昔遊んだ女の子のこと思い出していたのか」



そう、その女の子が智美だったんだ。


じゃあ俺、初恋実ってんじゃん!

初恋は実らないと誰かが言っていた。


結局、それは迷信ってことか。



「やはり、何か感じるものがあったんだな!

深崎さん、もう大丈夫かい?」


「はい、頭痛も治まりました」



座れなくなるほど頭痛を引き起こしていた智美は、顔色もだいぶ良くなっていた。


それにさっき、反対しないと言っていた親父。

それにホッとした。



「そうかそうか!

じゃあ、このことは重之助に伝えておくよ。

聖、深崎さん疲れてるだろうから
今日のところはもう帰って休ませてあげなさい」


「あぁ。

……親父もお袋も、俺たちを認めてくれてありがとうな」


そう言って俺は、智美の手を握って車に戻った。



車に乗ったあとも、俺の服の袖を握っている。


そんな姿も可愛い!!


……じゃなくて、どうしたんだ?


「智美?どうした?」


俺が優しく聞くと、智美は顔を赤くした。

そんな姿を見て、欲情してることは秘密にしておこう。