「私…っっっ」


あの日、私は事故にあったんだった。

気づいたら真っ白な天井と、薬品の匂いがする部屋にいて


お父さんは泣いていた記憶が思い出す。



だけどその時は、なんで私がここにいるのかも何があったのかも覚えていなかった。


聞いてもお父さんは、答えようとしなかった。


それどころか、悲しそうな顔をするから

聞くのもやめて、そのまんま忘れていた…。



「思い出したのかい?」


「はい、全部思い出しました」



まぁ、事故だけのせいでもないけど。


私は3歳だったのだから、そんな幼少期のことなんて忘れても当たり前なんだ。



「そうか、じゃあ話さなくても大丈夫かな?」


「はい。

会長は、全てわかっていたんですよね?
私と聖さんが付き合っていると噂を聞いたときから」



そう訪ねると、ニコニコ笑いながら



「もちろん。

俺や静香、そして重之助は2人の幸せを祈っている。
反対するわけないよ」


と、優しく言ってくれた。