「はい、元気です。

ですが、どうして父のことを…?」


いきなり会長から、お父さんは元気かと聞かれたけど、どうして?



「ハハ、重之助(ジュウノスケ)は何も話していないようだな。

君の父は、ある会社の社長でな。
そして、俺の親友でもある」



……は?嘘でしょ?

実家は貧乏だし、お父さんが社長なわけない!


確かに、重之助ってお父さんの名前だけど…



「何かの間違いでは…」


「いや、間違いじゃない。

昔、君と聖も会っているんだよ」


え?私と聖さんは、昔にも会っているの?



「俺の会社の創立パーティーに、君の父と君が来ていたんだ。

まだ、君は3歳だった。
聖は7歳だったかな?

2人は、パーティーをつまらなそうにしていて
庭で遊んでおいでと2人に言うと、手を繋いで走っていったなぁ〜」



創立パーティー…庭…手を繋ぐ…


……あっ!!!



いきなり、昔の記憶が頭に流れてくる。


確かに昔、何かのパーティーにお父さんと出席していた。


それが小さい私にしたらつまらなくて、早く帰りたくて仕方なかったとき


前方から、小さい男の子と男性が歩いてきて

庭で遊んでおいでと言われて、手を繋いで走っていった記憶ある!!



え、それが…聖さんだったの?