だから?と冷静に聞いたものの、少し焦っていた。


別に、親父が怖いんじゃない。



隣から感じる怒りのオーラ…


智美が、めちゃくちゃ怒っているから。

見なくてもわかる程に。



「あのなぁ。仕事に私情挟むな」


「俺だって、挟まないスタンスだった。

だが、智美と出会って変わった。
他の奴に取られるのは無理だ。

だから、簡単に許せるわけじゃない。
本来ならクビにしたかったところだ」



まぁ、結局親父がいいか決断するから

クビにすると言ったところで最終決定権は
親父にあるんだが。



「まぁ、お前にもそういう相手を見つけたのは嬉しいことだが

会社を潰されちゃ、俺だって困る」



まぁ、確かに島吹専務の仕事っぷりは

大事だし、彼いないだけで
もしかしたら、本当に潰れるかもしれないが…


じゃあ、社長である俺はなんのためにいる?


潰さないように、仕事をしているつもりだ。

あいつに負けるのだけは癪だ。