「染谷会長、私は聖さんと別れるつもりはありません」


「親父、俺は智美と別れるつもりなんてない。
親父が何を考えているのかわからないが、もし別れろと言うなら会社を辞める」



……は?何言ってるの?聖さん!!


前も、社長の肩書きなんていらない。

私が必要なんだって言ってたけど…


あれって、私を引き止める嘘じゃなかったの?

本気であんなこと、言ってたの?



「フッ。言うようになったなぁ〜」


なんて言いながら、会長は大爆笑していた。

隣にいる綺麗な女の人も、フフと笑っていて


私には、何がおかしいのかわからない。



聖さんだけは、呆れた様子でため息なんかついてるけど。



「やっぱり、親父もお袋も俺たちを試していたんだな」


「いや、試したんじゃない。
忠告をしようと思ってな」



忠告?なんの忠告?



「聖、お前。

島吹専務に、次何かしたら海外に飛ばすと脅したようだな?無期限で」

「だから?」



なっ!!!脅したぁぁぁ???


聖さん、あのとき聡に耳打ちしてたのって

もしかして、このこと?