しばらく待つと、ドアが開いた。



綺麗な女の人と聖さん似の男性。



雑誌で見たことあるから、誰?とはならないが

直接見ると圧倒される。



「2人共待たせてすまないね」


「いえ、とんでもないです」



優しく話し出したのは会長。


噂で聞くより、怖そうには見えないけど…



「で?親父、話しはなんだ」


「単刀直入に言う。

深崎さん、聖と別れてほしい」



……やっぱり反対されるんだ。


そりゃそうだよね。


社長にはもっと、ふさわしいどこかの令嬢と結婚とか決まってそうだし。


でも、そんな簡単に諦めれるわけ…



なんて考えていると、



「はぁ…。また、試しているのか?」



……試しているのか?


って、どういうこと?



「聖は黙ってなさい」


そう言った会長は、ちょっと怖くて…

試されているのかわからないが、私の気持ちを素直に言った方がいいのはわかっている。


いや、もう聖さんと離れることなんてしたくないから

試されていようと、本当に反対されていようと答えなんて決まっている。