お前は俺のもんだろ?

ある日の休み時間、


「またぼーっとしてる」


しかめっ面でこちらを見てる姫華。


「だってー…」


「藤井先輩のこと?」


私の考えていることが分かったのか話を遮った姫華。


そうなの。先輩のことなんだよ。


「うん。やっぱり話しかけないとダメかな?」


「ダメってわけではないけど、話しかけた方が距離縮まるんじゃない?」


「別に縮めたいなんて思ってない!」


「あぁ!もう!意地張っちゃって!早くしないと先輩の気が変わるよ?他の子に乗り換えるよ?それでもいいの?」


「別に……いいよ」


「嘘つき、」


「うそなんかじゃなッ」


「じゃあずっと逃げてるの?先輩はあんたに真正面から立ち向かったんだよ!!」


立ち向かったって戦うわけじゃあるまいし、


でも、そうだよね。逃げてばっかりはダメだよね!


「よし!放課後話しかけてみる!」


「おぉ!やる気じゃん。がんばれ!!」


「席につけー!」


チャイムと同時にみんなの憧れ濵田先生が入ってきた。


姫華は自分の席につき、私はどうやって藤井先輩を誘おうか悩んで空を見ていた。




「藤井先輩!!」


『なに』


「今日の放課後お話があるんですけど…」


『わかった。体育館裏でまってる』


「はい!」


藤井先輩は無愛想にそう言ってクラスへ帰って行った。

やばい、ちょー緊張したー。