ひとり、夏色


「千早くん、かしら?」

私の予想に反して

母さんは落ち着いた

様子で言った。

「はい。お世話になります」

千早は母さんにむかって

帽子をとり、一礼した。

千早の顔は女の子みたいに

目がぱっちりと大きくて

肌は引きこもり

(夏期限定だけど)

の私と同じくらい

白く、何より透明だった。

そして頭が小さい。

耳がかくれるくらいの

真黒なショートヘアーが

彼の白さを余計に

際立たせた。

かっこいい男の人は何度か

みかけたことがあるが、

美しい男の人は

初めてみた。

「夏緒、そこどいて。

千早くん、どうぞ

家の中へ」

「お邪魔します」

私の横を通って

千早が家の中へはいって

行った。