「・・・別になんでもない」
大きく呼吸する彼の息が
震えていた。
「・・・そうかよ」
踏み込むべきではない。
そう思った。
私はすぐにベットに帰った。
だけどひとつだけ
気になった。
彼の手元にあった薬のひとつ。
見覚えが、ある。
あの薬、
精神安定剤だ。
次の朝、私が起きた頃には
布団も千早の姿もなかった。
時計をみる。昼の1時。
午前終わってるし。
でも、まあいいや。
どうせ日が出てるうちは
外にもでないし。
やることねえし。
腹をかきながら1階に
降りると食堂で千早が昼食
をとっていた。
母さんの姿は、ない。
「あれ?母さんは?」
「買い物に出かけたよ」
「あっそう」
私は冷蔵庫から牛乳を
とりだしてコップに注いだ。
「ねえ、元アイドル」
「その呼び方やめてくんない?」
不機嫌そうに千早が眉をしかめる。
