「お邪魔しました」

夕刻になり、何時ものように花桜のお祖父さまとお祖母さまに挨拶をして、
通い続ける家を後にする。


もうすぐ夏休みが終わろうとしてる。
そして、今さっき鏡が映し出した物語は山崎さんが負傷した時間。

徳川慶喜が大坂から逃げ帰り、旧幕府側が敗北した鳥羽伏見の戦いの終幕。



今頃は富士山丸に乗り込んで、江戸へと向かう船旅が花桜と舞、そして沖田総司として生きる敬里の身には、
ふりかかってるはず。


そんなことを思いながら、私は家路へと目指した。
バスを乗り継いで帰宅すると、そこには珍しく両親が揃って顔を出していた。