伏見を追われてから、私たちは順調に戦えていたこともあった。

初日こそ敗戦してしまったけど、
私たちがいる周辺だけで言うと、そこそこ勝算はあったように思う。

勝利を掴みかけた矢先に、
いつも上からの指示で追われるように徳川の本陣がある淀へと近づいていく。


歴史に明るくない私でも、何かがおかしい……そう思う戦いが続いた。


その疑問の意味が……舞が吐き出すように絞り出した思いで、
答えが見つかった気がした。


チームプレイ、連係プレイ。
プレイって言うには、この戦いは遊びじゃなくて実際の生身の命をかけた戦いで、
その代償はあまりにも多いけど、私たちが負け続けるのは向こうが最新兵器で、
こっちはすべて旧式の古いものしかないって思いこんでた。

だけど実際にはそれも違ったんだって、舞に知らされた。


弾の装填に関しては、こっちの銃の方が良いものだったなんて……。
だけど私たちは、悉く【ことごとく】敗退して、淀の方へと追われ続けていた。



宇治川の河川敷、葦が生い茂る湿地帯に身を潜めて、
淀城下へ続く一本道を通って、淀へと進軍する新政府軍に奇襲をかけることもした。


一次は長州藩が新選組や会津藩の攻撃を受けて退却したし、
鳥取藩も葦に足を取られて身動きが出来なくなった。