約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)



会津が降伏した。


それはこの旅が始まって、
私の中で舞ちゃんの記憶が戻って役割を感じた時に、
自分の中で決めていた最後の分岐点。


鶴ヶ崎城(若松城)を後にした私は一人で花桜の待つ北へと向かった。



私の中の嘉賀舞ちゃんの記憶。


舞ちゃんは近藤さんの首を取り戻しに斎藤さんと二人で、
京に向かっていた時に、お腹の中に赤ちゃんが居ることを知った。


その後は、斎藤さんとは別行動だった。
だから記憶の中の舞ちゃんは、会津での斎藤さんの戦いを知らない。



近藤さんの誇りを守るために、
私と敬里が旅の途中で出会ったあの村ののあの場所で、
出産までの時間を斎藤さんと離れて過ごした。

そして……その場所で二人の子供を出産して、
赤ちゃんをその家の夫婦に託して、
舞ちゃんは再び、斎藤さんの元を目指した。

だけど、その頃には若松城は開城され、
会津は降伏した後だった。


そして次に舞ちゃんが目指したのが、
新選組の足跡を辿る旅。

旧幕府軍の残兵が海を渡って蝦夷を目指したようだ。


そんな噂話を聞きつけて、
舞ちゃんも箱館・五稜郭を目指していった。


だから北を目指せば、私もちゃんと花桜と再会できるはずなんだ。


舞ちゃんの記憶と同じように仙台を目指した私は、
蝦夷へと向かう商船へと頼み込んで乗り込ませてもらう。


船は荒波の中、出航し私は緊張が走る中、
蝦夷までの船旅を続ける。






ねぇ、敬里。

今頃、花桜は何をしてるかな?
ちゃんと元気に過ごしてると思う?


もうすぐ、花桜に懺悔しなきゃ。

瑠花には謝る機会もないままに、
離れ離れになっちゃったよね。


敬里は全てを受け入れてくれたけど、
花桜はどうなんだろう。


私がこの後、自分で決めている運命を知ったら、
絶対、許してくれなさそうだよね。


だけど……私は自分の決めた道を、
ちゃんとこの足で歩き続けたいって思ってる。



だから花桜が反対したら、
アンナはちゃんと味方になってよね。






そう言って心の中のと敬里へと語りかけながら、
私は船旅の時間、思いふける。





私には舞ちゃんが繋いでくれた晋兄との絆もある。

斎藤さんが舞ちゃんとの違いに気が付きながらも、
ずっと見守り続けてくれた時間がある。


この場所に来てずっと苦しかったけど、
舞ちゃんの記憶に気が付いて、
舞ちゃんの存在を感じるようになって、
私が為すべき役割を重く受け止められるようになった。



物語の要に存在する記憶の中の少女。
嘉賀舞(かが まい)。


私の名と同じ韻を持つ少女。



ねぇ、舞ちゃん……。
もうすぐ、貴方が成し遂げたかった旅の終わりに近づくよ。



これで良かったの?
舞ちゃんは、今は何を感じてる?