舞が会津で必死に生き抜いている頃、
私は山波の家でパパたちと向き合っていた。


この世界での私の戦は、まだ続いている。



「まずは謝っても許されないって事は、
 十分に承知しているけど謝ることしかできない罪が私にはある。

 何も出来ない、ただの高校生の私が、
 誰かの人生を狂わせてしまった。

 その誰かの存在が、花桜の従兄弟である山波敬里さん。

 あの頃の私の浅はかさを許すことなんて出来ないかもしれないけど、
 でもあの幕末で一瞬一瞬を精一杯生きた私の選択だから……。

逃げることはしないし、出来ない。
 私にはただ……謝ることしかできないの」
 


私は聖フローシアの制服に身を包んだまま、
畳の上、背筋を伸ばして正座したままで、
パパと花桜のお祖父さま、お祖母さまと向き合っていた。




「あの日……、花桜の剣道の全国大会が終わった帰り道、
 私たち3人は稲光の後、鳴神さまに誘われるように幕末へとタイムワープした。

 幕末に渡ったばかりの頃、大好きな幕末の世界のはずなのに、
 想像と現実があまりにも違いすぎて、ずっと震えてた」





そう……総司との最初の出会いは
最悪だった。



背後からふっと首元にまわされた腕。
そして、その先には総司が持つ刀が銀色の光を放ってた。


反射的に恐怖から誰かに助けを求めたくて叫びそうな私の口を手で塞いで、
まだあどけなさの残る声で「煩いなぁー」っと告げる冷たい声。


それが私と総司の最初の出会い。