あっ、総司……。
私、総司のフォロー出来ていない。
自分のことで精一杯で。
鴨ちゃんの時も、山南さんの時も、
大切な仲間たちが死を迎える度に、自分を責めて苦しみ続けていた総司を、
傍で見ていたはずなのに。
慌てて、その場所から立ち上がると、
私は道場の方へと急いだ。
道場には道着を身に着けたまま、床に横たわる総司の姿を捉える。
「総司っ!!」
慌てて近づいて、倒れている体を抱き起す。
「ねぇ、総司。
ちゃんと起きて。
目を開けて」
叫び続ける私に、騒ぎを聞きつけたように、
花桜の両親と、山崎さんが姿をみせる。
「どうしたの、瑠花ちゃん。
すいません、パパと電話を繋いでください。
総司が息をしてなくて……」
そう言いながら、私は心臓マッサージの講習を思い出しながら、
総司の胸の圧迫を開始する。
その後のことは、必死すぎてあまり覚えていない。
パパの指示の従って、私は救急車で総司をパパの病院へと搬送した。
病院での処置で、総司の心臓は再び動き出したものの、
総司の意識は今は戻らない。
今も眠り続ける総司の病室のベッドの傍、
その手を取って祈り続ける。
その日、病室に様子を見に来てくれたパパが私に想いもしないことを告げた。
「瑠花、瑠花の身に起きている不思議な出来事を
パパもパパなりに精査したんだ。
敬里君として幕末の剣士沖田総司は現代へ来た。
そして元々いた、敬里君は、幕末の沖田総司として入れ替わった。
だけど……瑠花が見守ってきた鏡の中では、
敬里君は、沖田総司としてなくなってるわけじゃない。
でも……何かの話で、会津戦争でも沖田総司の姿を見かけたと綴られていたものもあった。
沖田総司として終わるべき命は、敬里君の命を失わせる形で、歴史が修正された。
そう考えると、何故、敬里君として生きる総司君が、この時期に、意識を失って眠りについてしまうのだろう。
パパが言うと胡散臭い、意味のないものになってしまうかもしれないけど、
敬里君が生まれて来るまでの過程のどこかで、歪みが生じ始めて、
現代で敬里君が生まれ出る事が出来ない状況下になっているのではないか?
だからこそ、この世界にない命を淘汰しようと、
何かの大きな力が働いているのではないかな」
そう言いながら、パパは今も眠り続ける総司のバイタルを確認する。



