「そうじゃな。
お家の方の承諾を得てくれているのなら、
孫らを儂と見守ってくれるか。
ばあさんは、今も仏壇の前で手を合わせて祈り続けておる。
儂も傍で手を合わせておったが、どうにもこうにも気が静まらんでな。
こうしてまた、この場所に戻ってきてしまった」
そう言ってお祖父さまは寂しそうに鏡に視線を向けた。
鏡はやがて、花桜と舞の再会。
花桜と敬里の再会のシーンを映し出す。
だけどその時には、敬里は息絶えていたようで、
筵の上に安置されて、体を隠すように上からも筵がかけられている状態。
花桜は順番に、死亡した人たちを安置している場所で、
死者にかけられた筵をかたっぱしから、引っぺがしながら、
敬里を探しているみたいで、見ているだけで胸が張り裂けそうだった。
花桜っ!!
気を確かに……なんて気休めでしかない。
そんなこと、出来るはずない。
声なんて聞こえるはずのない映像だけのはずなのに、
耳にこびりつくのは、悲痛に叫び続ける花桜の声。
そんな花桜に、容赦なく水のようなものを浴びせる斎藤さん。
花桜に何するのよっ!!
もっと優しくしてあげてよ。
山南さんを見送って、今はここで敬丞としているけど……山崎さんを見送って。
ずっと辛い思いばっかりしてきたんだよ。
なのに……今度は小さい頃から良く知る、敬里まで。
神様、これ以上、花桜を苦しめないでよ。
花桜の心を助けてあげてよ。
そんなことを感じながら、
私は鏡から視線を外すことすらできなくて、
溢れ出す涙を必死に拭いながら、朝を迎えた。
明るい陽射しが部屋に入ってきたのに気が付いて、
周囲を見回す。



