「敬丞、門下たちには道場の雑巾がけを。
 その後、敬里と手合わせでもさせるか」


お祖父さんのその言葉に、私は思わず総司に視線を送る。


「瑠花、大丈夫ですよ……。

 ぼくもまだまだ病み上がりですから、
 精一杯、手合わせしていただいてきますよ」


なんて……どうコメントしていいかわかんない笑みを残しながら。



総司たちが稽古へと向かった後は、
私は鏡の前で、学校の宿題を開いて勉強をしながら、
鏡の映像を見守り続けた。


パパかママが21時に迎えに来てくれるまで。


鏡の映像は、白河口の戦から母成峠の戦へと
戦地が誘われようとしているみたいだった。