約束の大空 3 ※ 約束の大空1&2の続編。第四幕~(本編全話 完結)


近藤さんの死を見届けた総司は、
あの後、自分以外の人を閉ざすかのようにゆっくりと立ち上がると、
与えられた自室へと戻って、静かにドアが閉じられた。

学校が三連休をいいことに毎日、この場所へ通い続けた私。

だけど……総司の部屋のドアが開くことも、
花桜のお祖母さまが用意してくれた、朝・昼・夜の食事が手を付けられることもなかった。



ドアを開けて総司の様子を確認したい。
そんな衝動にかられて、部屋の襖に手をかけようとするたびに、
その部屋を見守るように時折、視線を向け続けるお祖父さまの視線によって妨げられた。


お祖父さまは、私をそっと手招きする。


奥の部屋が気になりながらも、私は後ろ髪惹かれる想いでお祖父さまの元へと歩んだ。




「まぁまぁ、開かずの扉はまだ開きませんか」

そう言いながら、お祖母さまは私の前のお茶の入った湯呑をさしだしてくれた。
湯呑に触れた途端に、指先から伝わる温かさにホッとしてる私が居る。


「敬里が部屋にこもって、今日で三日目ですね」

「あぁ。もうすぐだよ。
 あの子はちゃんとケジメをつけて戻ってくる。
 男にはケジメがつけたくなる時もあるもんだ」

「えぇ、貴方もそうでしたわね。
 瑠花さん、女は殿方が向き合おうとしたケジメの邪魔をしてはいけませんよ。
 ただ殿方の決意を信じて、ドーンと構えて御上げなさい。
 殿方より女は強いんですよ。心が。

 殿方が何かを成し遂げた時、その全てを包みこむ家であればよいのです。
 殿方を包み込む家なればこそ、女は愛を超えるその先の未来を見いだせるのですよ」

柔らかな口調で紡ぎだす、お祖母さまの言葉は理解できるようで、完全には理解できない。
頭ではわかりそうな気がするものの、感覚ではとらえることが出来ないあやふやなもの。


だけど伝わってくるのは、総司を信じて待ちなさいと言うことと、総司が何かを成し遂げた後の家。
戻れる場所でありなさい。

それはわかった。