「これからの戦は銃の時代だ。
 それは皆が、一番知るところであろう。

 では、弾込めより、始め」




そう言って号令をかける指南役の声の後、
一斉に隊士たちは、銃の中へと銃の先端から黒い火薬を詰めて、
長い棒のようなもので、筒の中に置くまで静かに押し込んでいく。



私もドキドキしながら、その作業を終えて、
次にハンマーを起こして、発火の為に必要な雷官をセットして静かに戻す。

そして構えた後、トリガーを引く。


それを何度も何度も、隊列を組んで、入れ替わり、立ち替わり繰り返す時間。


最初は、おどおどしながら取り扱っていた銃も、
少しずつ自分なりに取り扱えるようになりだしたころ、出陣の名がくだった。



宇都宮で最初の戦が始まってしまったから……。




かくして、斎藤さんを隊長にした新体制の会津新選組は、
新たな仲間たち共に、次の戦地へと歩み始めた。