「わ、笑いすぎておなかいたい…!」
「ちょ、おい!ふざけんのもいい加減に……、あれ…?」
ふと拓夢を見ると、何故か不思議そうな顔をしていたため、私の笑いはとまった。
「え…なに?」
「……お前、ちょっと眼鏡取ってみ?」
そう言った拓夢の顔は、眉を潜めていて、真剣だった。
「…っ、なんでですか?」
体が震えた。
そうだ、忘れてた。
今の私は山本桜なんだ。
さっさと屋上から出なきゃ行けなかったんだ。
どうしよう。
もし、バレたとしたら――
拓夢は、峰山桜の前でも笑ってくれなくなるのかな?
「……っ」
「いいから取って」
そう言って私の顔に伸びてきた拓夢の手を、
「やめて!!」
叩き落とした。

