でも…
“ここの鍵、お前も持ってんの?”
て事は拓夢はここの鍵を持ってるってことだよね…?
それこそなんでなのか理由を聞きたい。
聞く勇気はないけど。
「あー…まぁ、それはどうでもいいんだけどさ、」
必死になって答えたことをどうでもいい扱いされたことにキレそうになった私は悪くないと思う。
私が怒りのこもった目で見ているとは気付きもしない拓夢は、何かを言いたげに私を見る。
「何か?」
「あー。なんかさぁ…
なんでお前、俺に媚びてこねぇの?」
「…………は?」
なんでって。
た、拓夢ってまさか…
「ナルシス――」
「っちげぇよ!!」
私の言葉を遮って焦ったように言った拓夢は、頬を少し赤く染めていて、俳優の時の大人びた雰囲気とは真逆の、子どものようだった。

