「なに?」 「あー…いや、実はな」 「学校遅刻しそうなんだけど」 「渡しづらいけど。 まぁ嫌なら捨てちまえ。 これ。拓夢が渡してくれってさ」 ヒロトに手渡された折り畳まれた小さな紙。 「拓夢が…」 カサッ 「……っ」 紙には、綺麗な字でアドレスと携帯番号。 そして 『しつこくてごめん、心配で。 …もし連絡なかったら、その時はもう桜を諦めるから。迷惑がかからないようにする。 ごめんな。連絡待ってる』