部屋はしんと静まり返っていて、誰かがいる気配はない。



…出た方がいいよね。



側にあった鏡に顔を覗かせる。

うわ、化粧落としてない。



こりゃ肌荒れるなぁ…




ピーンポーン




そんなことを考えていると、またベルが鳴る。



…出なくちゃ。


時刻を見ると朝の7時だった。


一体、誰だろうか。


覗き窓で確認して、驚きで目を見開く。


慌ててドアを開いた。






「拓夢さん…」





玄関には、相変わらずお洒落な服に身を纏った拓夢が立っていた。