迷惑なんてかけたくない。 それだけはしたくない。 とは言え、もう立っているのもやっとだった。 「桜ちゃん。気持ちはわかったけれど…顔色が非常に悪い。撮影は無理だ。 今日は帰ってゆっくり休んで、撮影はまた今度にしよう。 大丈夫だから。な?」 「……わかりました」 また、たくさんの人に迷惑をかけてしまった。 「監督、拓夢さん、皆さん… 迷惑かけてしまって本当に申し訳ありませんでした。 …お言葉に甘えて、お先に失礼します。」