「山の方だから、寒いと思うよ。 もしかしたら雪降ってるかも。」 「わ、マジかよ。」 そう言って、拓夢はマフラーに顔を埋めた。 付き合ってから、知らなかった拓夢をたくさん知っていった。 拓夢が、極度の寒がりだってことも最近知った。 バスは、ゆっくりと発車する。 ある場所に向かって。 「すみません、これください。」 目的地でバスを降りて、近くの花屋さんで花を買った。 目の前には、たくさんのお墓。