「璃子」
急に抱きしめられる。
普通ならビックリするだろうけれど、不思議とそんなこと無かった。
心のどこかで求めてたのかもしれない。
「蓮·····」
私の話をいつも聞いてくれる人。
「咲に聞いた」
あ、そっか。聞いたのね·····。
「さっき桜から付き合いましたっていうメールが届いたの。それをみて涙が出てきちゃった。笑っちゃうよね?」
そう言いながら笑顔を頑張って作る。
そんな私に悲しそうな顔をしてる蓮。
私、こんなにも笑顔で明るくしてるのよ?
もうっ·····
「·····同情なんていらないから」
咲にはギリギリ誤魔化せることでも、蓮には誤魔化せないことくらい知ってるはずなのに。
「同情じゃない」

