深呼吸をして奈々さんのもとに行く。
「奈々さん!終わりました」
「あ、ありがとう!あれ?さっきより顔色良くなったね!!今日は帰っていいよ!お疲れ!」
よし、第一関門クリア。
ちょっとはバイトで良くなったのかな。
次は咲のところに行く。咲にはさっき悪いことをしちゃったし。
あれは私も取り乱しててすぐ顔に出てた気がする。
人の感情に敏感な咲が気づかないわけがない。
だから、事前に用意出来る今は。
きっと出来る。
「咲」
咲の部屋の前で名前を呼ぶ。
玄関の鍵をかけ忘れるなんて、そんなに迷惑かけちゃったのかな。
「璃子·····?」
「ええ、そうよ。中に入れてもらえるかしら」
そういうとガチャッとあいて咲が出てきた。