「柴野くんとはどうなの??」
キラキラした目で聞く咲。
柴野くんっていうのは優の名字。
「まさかそれを聞くためだけに呼んだわけじゃないわよね?」
「·····あはは」
図星ね。
まさかのそれだけなのね·····。
「全くの進展なしよ。しかも、前なんて優から桜が好きなんだって相談にきたくらいよ?」
あの時は私の嫌な感情が溢れだしそうになって怖かった。
「え!何やってんの!柴野くん!璃子の気持ちも分からないなんて鈍感すぎる!!」
「まぁたしかに鈍感よね」
私が優を好きなことは咲は、知ってる。
というか勘づかれたというか·····。
私演じることが上手いはずなのに、なぜか咲には見破られちゃうのよね。
咲の前では嘘なんてつけないわ。
それだけちゃんと見てくれてると思って嬉しかったりするんだけど。

