そして、咲に視線をなおすと……
「……なにニヤニヤしてるのよ」
「べっつに~?仲良くなったんだね~?」
「最初から仲いいわよ。咲も知っているでしょう?」
「そういう意味じゃないよー!」
じゃあ、どういう意味よ。
でも、こんなにも普通に咲と話せるようになってよかった。
「咲ありがとう」
「え?なんで?」
「咲のおかげで前に進めた気がする。あとは私が頑張るだけ」
「……璃子……うん!がんばってね!」
よし、あとは桜かな。
辛い思いをさせちゃったし……。
今風邪って言ってたっけ。家に行くしかないかな。
「咲。私あと行かなきゃいけないところがあるの。だから行くわね」
「あ……うん」
多分どこに行くか分かったのかしら……。
「謝りに行ってくるの。前に進むためにね。……明日ちゃんと来るのよ?」
「わかった!ちゃんと行くから話し相手になってよ~?璃子は長谷川さんいるけど私は一人なんだから!」
「わかったわよ。いってきます」
「行ってらっしゃい!頑張ってね!」
そう言って送り出してくれた。
咲、桜のこと嫌ってたのに。
やっぱり私の為なのかな。前に進めるように……。

