咲が驚いたような顔をしてる。





でも、私はいつも通り……いつも通り……





咲と仲が良かった頃のような雰囲気を醸し出すのよ。





やっぱり演じることは得意だし。





「久しぶりね咲」






にっこり話す。





「中入っていいよ」





「!!……ありがとう」





咲から中に案内してもらって真ん中のテーブルのところに座る。






その反対側に咲が座る。





私たちは一言も喋らない。





まぁ、そうよね。いつも話すのは咲だったし。





私の優との事なんて質問攻めされて答えてただけだし。





でも、この沈黙は私が破らなきゃなのかな……。





「咲」




そういうと咲は私と目を合わせる。





「ごめんなさい。咲があんなこと思ってるなんて知らなかったの」





「……」




黙ったままの咲。





でもいい。私の話を聞くだけでいいから。






「私は咲のこと好きよ。やっぱり桜と咲だと違うかもしれないけどそれでも咲が好きだし、桜には話せないことも咲には話せるし。




咲は前に私はただの都合のいい人だって言ったわよね?



でも、私はそんなこと思ったことなかった。よく考えればそう捉える人もいるような行動を私がとってたのにね。」