大野くん、私のこと好きになってください!


放課後、知奈に引っ張られて連れてこられたのはトイレの鏡の前。



こんなところで何をするつもりなのか、全く予想がつかない。



頭に?を浮かべる私の隣で何やら知奈はかばんのなかをがさごそとあさっている。



そしてそこから取り出したのは、



「じゃじゃーん、メイク道具〜!」



「…め、メイク道具??」



いやいやそんなドラ○もんみたいなトーンで言われても…。



それに私、ノーメイクじゃないよ?そんなにガサツじゃないよ?ちゃんとビューラーでまつ毛あげて色つきリップだって塗ってるよ?



「んー梨愛はメイク薄すぎ!もうちょいいじっても…目、閉じて〜?」



なんか楽しそうな知奈に無理に逆らうのはやめよう、と目を閉じればさらさらと肌に感覚を感じる。



知奈はこうゆう美容系のこと得意だもんな〜なんて考えてるうちに、



「開けていいよっ。」



と上機嫌の知奈の声が聞こえた。