大野くん、私のこと好きになってください!


何が起こってるのかイマイチ分からなくて大野くんを見つめる私に、本人は耳元で、



「直視してんじゃん。」



と余裕の笑み。



何も言えないままあたふたしているとその距離が一気に遠くなって、掴まれていた手も離された。



そしてまた無言で歩こうとする大野くんにまた何か言わなきゃと思い、ずっと聞きたかったことをさりげなく聞いてみる。



「大野くん!あの、…浴衣どうですか?」



「別に、普通。」



大野くんから返ってきた言葉に複雑な気持ちを抱く。



今日こそは可愛いって言ってもらいたかったのに、という残念な気持ちと、



普通っていうのは似合ってないわけじゃないのかなというわくわくする気持ち。