大野くん、私のこと好きになってください!


『よろしくね!』



『……』



思えばあの時から大野くんは冷たかった。



入学して3ヶ月、もっとクラスメイトと仲良くする気はないのか。



いや割と男の子とは仲良いなぁ…人見知りなのかなぁ…なんて呑気に考えている私に、



『夕陽、答えてみろ。』



数学の教科担当の先生が、ニヤッとして黒板に書いた式を指さす。



何も聞いてなかった私は、特に苦手な数学の問題なんか分かるはずもなく、"えっとお…"と繰り返す。



先生が『聞いていなかったのか?』と眉間にシワを寄せて、どうにかしなきゃ!!と思ってると、



『x=3√3』



と隣から答えを教えてくれたんだ。