大野くん、私のこと好きになってください!


*Nagi side*



「2年3組、ゴーーール!!」



その放送に、勝ったんだと安心した。



あの人にだけは、負けられなかった。



それはきっと、いつもウザいくらいつきまとってくるあいつのせいだ。



それはリレーが始まる前のこと。



俺はアンカーのラインに立って、足を伸ばす。



こんなんでも、一応クラスのために走る気はあった。



そして、周りを見渡すと俺の隣には見覚えのある姿。



その人は俺に気づくと、笑顔で話しかけてきた。