「「きゃーーーーっ!!!」」 女の子の悲鳴にも近い声が頭に響く。 どうしたんだろう、と顔を上げると、大野くんがものすごいスピードで葵先輩に迫っていた。 その距離は約3mほど。 葵先輩だって、負けるもんかと必死で足を回している。 ゴールまで、残り50メートルといったところ。 あとほんの少しだったその距離がゼロになり、大野くんは前に出た。 そして、そのまま 「2年3組、ゴーーール!!」 ゴールテープをきった。