「あの、大野くんありがとう。」



「別に。ほんとにばかだな。」



「ば、ばかじゃないもん。」



と必死に抵抗するけど、



「ばーか。」



って笑っていう大野くんに、もう指の痛みなんて気にならなくて、むしろ痛いのは胸の方で、



こんなにも私はドキッとしてるのに、余裕ぶった大野くんの顔に、大野くんにとっては、私なんて他の子と変わらないような存在なんだろうなと、



胸が痛くなった。