せっかく同じ班になったのにこれじゃあ関わる機会もないよぅ。
言葉を交わせば、下手くそだし。
それに大野くんってば、私がにんじん嫌いなの知ってて『梨愛はにんじん担当』って私ににんじん切らせたの!
あれはもう屈辱、にんじんを本気で嫌いになりそうだった。
そんなわけでにんじんに時間をかけすぎた私は次の任務、じゃがいもへと作業を移す。
如月くんが必死に皮をピーラーでとっておいてくれたおかげで後は切るだけだ。
じゃがいもを切りながらも大野くんに群れる女の子が気になってしょうがない。
すぐ隣にいるのに、私の方はちっとも気にかけてくれなくて
なかなか報われないなとじゃがいもを切るのに力を入れた時だった。
