「葵先輩、お疲れさまです!」
「応援ありがとな。」
試合が終わり、結果は葵先輩のスリーポイントのおかげで逆転勝ち。
女の子たちがぞろぞろと帰っていく中、私は葵先輩の隣に並ぶ。
本当は、大野くんに話しかけて『お疲れさま!』って言うつもりだったけど、
今頃あの子と付き合ってるかもなって考えたら悲しくなってやめた。
"じゃあ帰るか"って荷物を持つ葵先輩を横目に、ほんとにいいのかって一瞬迷ったけど、これ以上変なヤキモチ妬くのは図々しすぎる。
今日の試合の話をしながら、体育館の下駄箱まで来ると、
そこには下駄箱にもたれかかる大野くんがケータイに向けていた目をこっちに向ける。
