「俺以外に意識させてどうするの?」



「俺以外って…そんな、」



大野くんは意識してくれないってこと…?



なんだ、それ、悲しい。



「お前はいつも通りが1番。」



「…っ/////」



悲しんでた私に、そう言って頭をポンポンとした大野くんはそのままコートに戻っていく。



…っ、いい!!意識とかもうどうでもいい!



さっきまで悲しんでた気持ちなんかどっかに吹き飛んだ。



おかげでその日の帰り道、"待たせてごめん!"と制服に着替えた葵先輩に、"何ニヤついてんの。"と引かれたのは忘れよう。