「えっ!?へ、大野くん!?お疲れさま!!」
「梨愛、何その格好。」
タオルを首に巻いてしゃがむ大野くんは私の顔をのぞき込む。
ちなみに、…大野くんったら私のこと呼びすてなの!!
もう呼ばれる度に鼻から愛が溢れそうだよ。
「こ、これは知奈が!!大野くんを意識させるために…ってうわぁあぁ!」
あまりにも、大野くんがかっこよすぎてつい…なんだよ、私、意識させるためって!!
「へぇ。」
テンパる私を目に、大野くんは相変わらず2文字で冷たく返事を返す。
ですよね、私なんかがちょっと変わっただけで大野くんは興味ないよね。
これ以上、何か言われる前に帰ろう、と立ち上がろうとした時、
「…きゃ、な、なにするの大野くん!」
大野くんは私の髪の毛をぐしゃぐしゃしてボサボサにしたのだ。
