大野くん、私のこと好きになってください!


寒くてしょうがなかった私は



「っはい!!」



と元気よく返事をしたのに、



「…っ! バカ、冗談だよ。」



と頭をコツンとされた。



うぅ、でもほんとに寒いんだって!



しつこいかもしれないけど、半袖だからね!?



もうすでに体は震えてるからね!?



そんな冷たい私の体に、いきなりふわっと柔らかいものの温もりを感じる。



その正体は、



「俺の貸すからあいつのカーディガンは着るなよ。」



という葵先輩のパーカー。



グレーのパーカーはだいぶ大きいけどしっかりと包み込んでくれるおかげですごく温かい。



被せられていただけのパーカーに手を通せば、寒さから解放され、上機嫌な私は



「えへへっ、葵先輩ありがとうございますっ!!」



と笑顔で言った。