大野くん、私のこと好きになってください!


ゆっくり目を開けて、目の前の鏡を見れば、



「えっ!?これ、…私?」



いつもとしてることは変わらないのに、まつ毛はぐいっと上にあがり、唇は真ん中からグラデーションピンクになっている。



髪の毛もゆるーく巻いてあり、何だか大人っぽい。



「うん、やっぱり似合う〜!ほら、そろそろ時間でしょ?行ってらっしゃい!」



と、満面の笑みを浮かべる知奈に背中を押されて、トイレを出る。



時計を見れば、確かに時間だ。



部活の終了時刻。