いちについて、




外に出れば降り始めた雪はだんだんと強まり始めていた。


傘立てから自分用の傘を引っ張り、外に出てそれを広げる。


傘をさした瞬間から雪はボツボツと傘にふり落ちる。



今日の雪は積もりそうだ。



公園につくと、まだ昇馬は来てなかった。

ベンチに座ろうと、木のベンチが二つ並んだところに向かったけど、そこでベンチが濡れていることにようやく気づく。



「タオル、持ってくればよかった……。」



「あるよ、ここに。」



呟くと、返事が返ってきて後ろを振り返る。




「昇馬……。」



オールジャパンと書かれた、全国大会でしか手に入らないタオルを二枚手にした昇馬が傘をさしてあたしの真後ろに立っていた。