明日の準備のために部屋の中を行ったり来たり、あっちのものを取ってみたりこっちのものを取ってみたりしているうちに清夏が帰ってくる音が聞こえてくる。
もうそんな時間か、と壁時計を見てみると9時過ぎを指していた。
一応、下に降りてみる。
「お風呂、最初に入る?」
「うん。入ろうかな。」
清夏はすでに温めたと思われるチキンライスを頬張っている。
こちらを見ずに、目の前に広げている参考書を血眼になって見ている。
妹の前だ、零れてしまいそうになったため息を飲み込み、部屋を出ようとした。
「明日から行くんでしょ?」
「えっ?」
普段、清夏の方から声をかけられることは珍しいのに、振り向けば清夏はスプーンを右手に持ちながらあたしの方を見ていた。
「お母さんが言ってた。まあ、頑張って。」
「清夏………ありがとう。」
勉強に一心で友人関係はあたしと代わってかなり疎いし友達も少ないから感情を表に出すことも苦手な清夏。
そんな清夏のひと言で、あたし、頑張れちゃうかもなんて、単純だな……。
思わず頬が緩むのが清夏にバレないように堪えながら部屋に戻る。


