いちについて、




最近はあたしも、泰知や昇馬も忙しくてなかなか三人一緒に帰ることはなかった。

たぶん、夏休み中の練習以来かもしれない。



すでに周りは闇に包まれていて、練習後すぐに気が付かなかったけれども、空気はひんやりとしている。



「明後日だな。」



「おう。」



泰知の言葉に昇馬は相槌を打つ。

明日、朝には学校を出て会場に行く。

少し練習をしたら宿舎に一泊。


目が覚めたら県駅伝当日ということになる。




「俺、一区なんてほんとに無理なんだけど。」



泰知は不貞腐れつつも、少し喜ばしそうに言った。


「お前、1500だもんな。俺にタスキ渡す前に死ぬなよ?」



「んなこと、するかよ。」



二人の楽しそうなやりとりを、あたしは半歩後ろで見守る。



「夕夏は?どう?」



「え、どうって…。」


いきなりにふられて少し答えに戸惑う。




「お前、3キロ以上走ったことないのに4キロなんだろ?」



「ねえ、バカにしてるよね!!」



やけにニヤニヤしている泰知と昇馬に、拳を握ってしまいそうになる。