いちについて、




10月という事もあり、着替えるためと言っても素肌を出すのは抵抗を感じてしまうくらいの寒さはあった。

これからの季節、もっと寒くなるのに今がこんなでいいのかと思うくらいにあたしの体は盛大にぶるりと震えた。


汗をタオルで拭き取った後、Yシャツを羽織り、ネクタイを締める。

その上にページュのカーディガンとブレザーを羽織る。


置いてある鏡で前髪を整える。


「そろそろ髪、切ろうかな。」


胸下まで伸びた髪はそろそろ邪魔になってきた。


普段はお団子にしているからその長さを知ることはできないけれど、こうしておろして髪を梳かすと、時間の流れを感じる。


リュックサックを手に取り、ローファーに足を入れて、いつもは置きっぱなしのランニングシューズも袋に入れて、二つの靴を持って部室を出た。


「お疲れ様です、」といくらかの後輩とすれ違う度に言われた。



途中で楓に会ったから、もう一度手を振ってから別れると、すぐの所に泰知と昇馬がそれぞれの自転車を持って立っていた。