「俺が大学決めたのは、センターが終わってからだよ。」
「え!?嘘でしょ!?」
あまりにも期待外れな答えにあたしは大声を出した。
「ホントだって。進路なんて考えてなくて、走れればいいや〜みたいな?まあ入れそうだったから今の大学に通ってるわけだし、そんなんだから陸上もやめてさ。別に、もう陸上したいとかは思わねえけど、でも、たまに考えてるかな。走ってる自分。」
「そう、なんだ……。」
ソファの上で両膝を抱える。
部屋の暖房は大分効いてきたけど、冷え症のあたしのつま先はまだまだ冷えている。
つま先に触れると明らかに冷たくて両手じゃまだまだ暖かくなりそうになかった。
「お前は?泰知が死んだからって陸上やめていいのか?」
「だって………。」
「なんでだよ。」
お兄ちゃんは顔を顰める。


