今年のインターハイ県予選で二位入賞を果たした時の写真だった。
満面の笑みを浮かべてこちらに光を与えてくれるような、包み込んでくれるような笑顔が、写真の中からではあるが何かひしひしと伝わってくるようだった。
あの時はまだ、なんにも考えていなかった。
こんなことになるなんて、想像もしたことなかった。
泰知の遺影がまるで、あたし達に現実を見ろと言わんばかりに迫ってくるように感じた。
なにかに責められなにかに追われ、なにかから逃げている。
今のあたし達はその言葉で片付けられるくらいに単純であると思う。
単純に、心が崩れてしまっていた。
正直、前みたいに笑えない。
ランシューに足を入れることが辛い。
走っている時の快感を想像することが辛い。
無人の席にいつまでも人影を探している自分がいることが辛い。
きっと、一生消えることのない傷跡が刻まれていて、それは薄くなることはあるけれど完全に消え去ることは無い。
ここにちゃんと、残っている。
今はまだその痛みもズキズキとあたしの心臓を刺す。
痛いくらいに…。


