朝起きるのが辛くなってそのうちに家を出るのも遅くなって、昇馬が自転車を漕いでくる時間に昇馬に会うことが増えた。
でも、いつも探してしまうのは昇馬の隣。
いないと分かっているのに、その隣にないもう一つの自転車の音を想像するだけでもどかしくなる。
苦しくなる。
泣きたくなる。
泣いていいよ、って言われてからあたしはどれくらい本気で泣いただろうか。
あたしの涙はいつも、枯れ果ててしまったかのように一滴も零れてこない。
こんなにあたしは無情な人間なんだと自分自身を嘲笑う。
毎日のように苦しい負の連鎖に惑わされ、抜け出せなくなっていた。
校舎の階段を上り、三階まで辿り着く。
手前から順に一組から七組まで教室が並ぶ。
一番端の、一組の教室を無意味に覗いてしまうことが最近のくせになってしまっていた。
窓際の前から三番目の席はいつも空白。
その机は取り除かれることなく、今もそこにちゃんとある。
だけど、もうすぐやってくる冬休みを越えて学校に来れば、この机はきっと無くなっている。
または、別の誰かが座っている。


